翼や風や色や道標やら
「家父長制こそ最高だ!」って叫んでるミソジニックなみなさん、あれ「豊かな世界をもう一度」って言ってるんだけど、「豊かだからできる」んであって、「やったら豊かになる」は誤認だと思いますよ。
— 借金玉 (@syakkin_dama) 2021年6月7日
自分の住んでる土地が豊かかどうかわからない。多分そこそこに豊かでもみくちゃにしたゴミ箱の野菜みたいに寂れていて、若者に元気はあっても中高年にならないとお金がない。
多分、私のような人間は都会に出たほうが人間関係に恵まれるのかもしれない。そう思って人間関係の下地を都会でやるだけの時間を無意味にこの土地で過ごしてきた。もうどこかに行くには年を取りすぎてしまった。
周りには、沢山の都会に出た人がいて多分殆どが戻ってこない。
この土地に慣れることができれば、多分それなりに豊かに暮らしていけるのだと思う。どこにも気の合う人がいないままって思ってるほど、人生は暇じゃあない。そうだったらいいのにな。
どの集団にも居場所を見出だせない。
ただ実家の自分の部屋にこもって、本を読んだり写真を眺めたり、Twitterをしたりして暮らしている。
コードは進まない。どうすればいいのかわからない。
この土地が好きだ。就職なんかなくっても。人間関係があんまり良くなくっても。田舎の価値観は絶妙に古臭い。手の届く範囲が狭くて、みんなそんなもんだと思って暮してる。
ひとりになってもかまわない。他人に多くを期待しなくても、ここは食べ物が美味しいし、アマゾンだってすぐ来る。
翼や風や色や道標やら。田舎にはそんなものがある。海だって見に行ける。人の少ない海を見ると、ごった煮みたいな田舎だけど、暮らしていてよかったと思う。
私は自由とか平等が好きで、汚い田舎のおばさんになってしまうんだろうな。都会に憧れてずっと上を向いて暮してるみたいに。黙ってたら誰も助けてくれないというのに。
親くらいは、親身になってくれるかな。
マジで切り詰めてる時に届く欲しいものリストの粗品が好きだ。これから先も私は切り詰めるだろうし、無意味に高いクラフトラムで梅酒を漬けたり、たまにしか見ない大判の本を買ったりするのだろうな。家がほしい。数奇をやりたい。そんなお金なんてない。お金が沢山あったらいいのに!
翼はない。この田舎に翼なんてない。いつか見たくない上の世代が淘汰される頃には、自分が汚い田舎のおばさんになって、害を振りまいているようなことばかり考えてしまう。
翼や風や色や道標やら。
そんなもの無い田舎で見る空とか海とかが好きだ。私みたいな自由に憧れる虫がギリギリ住めるくらいの田舎に、自分ひとりで風や色や道標やらを見出すのだ。
中年までの目標にしたいな。中年になって、要らない物を売り払ったりして、またひとり、近所の海を見る。